「普遍」とは、挑戦し続けること。新たなミッション・ビジョン・バリューに込めた想い

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「普遍」とは、挑戦し続けること。新たなミッション・ビジョン・バリューに込めた想い

代表取締役社長  稲瀬 修

2006年にサザビーリーグ入社。アガット営業担当、新規事業などを経験し、2021年、カンパニープレジデントへ。分社化にともない、2025年から代表取締役社長に就任。「現場第一主義」を掲げ、海外進出にも積極的に取り組む。

「普遍」とは、挑戦し続けること。新たなミッション・ビジョン・バリューに込めた想い

代表取締役社長  稲瀬 修

2006年にサザビーリーグ入社。アガット営業担当、ブランドマネージャーなどを経験し、2021年、代表取締役社長に就任。「現場第一主義」を掲げ、国内の路面店戦略を進めるとともに、海外進出にも積極的に取り組む。

変化の時代に、変わらない想いを。経営理念刷新の背景。

MISSION・VISION・VALUEを新たに策定しようと考えられた、きっかけを教えてください。

本来であれば、分社化したタイミングで新しい経営理念を発表するのが理想的だったと思います。ただ、5年、10年という近い将来の話ではなく、50年、100年という期間で未来を考えたときに、より長く残っていく言葉が必要だと感じました。そう考えると、なかなか言葉が固まらず、時間がかかってしまったというのが本音です。そして1年が経った今、会社の未来を大きく左右する経営判断を行うタイミングに合わせ、新たなMVVを策定することにしました。それは、今、共に働く仲間たちに安心してもらうためのメッセージでもあり、まだ僕の目には見えていない、未来の従業員たちにも向けた言葉だと考えています。

「普遍」とは、挑戦し続けること。新たなミッション・ビジョン・バリューに込めた想い

これまでとは、どういった点が刷新されているのでしょうか。また変わらずに残した点はありますか。

大きな違いは、「時間軸」の視点です。以前のMVVは、成長・成熟していく過程の中で見据えたものでした。今回は、成熟したその先に、実が朽ちてなくなるのではなく、なり続けるためのものにしたいと強く思いました。逆に変えたくなかったのは、「共に働く仲間」への視点。社員を大事にすること、彼らの幸せを一番に考えること。それが結果的に事業成長にもつながっていくと考えています。変わらない軸はそのままに、この先をどう描いていくかを、これから社員たちと一緒に考えていきたいですね。

また、以前のMVVも、社内で認識はされていたと思いますが、それを体現している、実践できているという実感は、少し薄かったのかもしれません。今回、時間軸を変えたことの大きな意味は、つくる人も、売っていく人も、新人もベテランも、「未来につながっているのか」と自分自身に問いかけられる。そんな、答え合わせがしやすいものにしたいという想いがありました。

新しい言葉や表現を決めるまでに、一番悩まれたのはどんなところでしたか?

上辺ではない、本当に自分の言葉として納得できるかということ。そして経営陣や管理職、現場の社員にまで、同じ意味を持って届けられるかということですね。みんなが腹落ちする言葉を見つけたいという想いがあったので、そこに辿り着くまでがすごく難解でした。なかでも時間軸を示す「100年後のクラシック」という言葉には、込める想いが大きく、だからこそ正しく伝わるか不安もありましたが、少しずつ浸透していっている実感もあり、安心しています。

MISSION「小さな存在(チカラ)で輝く明日(ミライ)を」
一人ひとりが、未来をつくる。

MISSIONの「働く一人ひとりが、仕事を通じて、未来を形作っていく」には、どのような想いが込められているのでしょうか。

前代表が大切にしていたのは「One for all, all for one」という、非常に力のある言葉でした。その考え方はもう浸透している前提で、今後さらに企業としての存在価値を高めていくには、やはり「一人ひとり」の力が必要になる。一人ひとりの、日々の何気ないひとつの行動や発言、1分、1秒の積み重ねが未来を作っていくんだということを、よりミニマムに、ダイレクトに伝えたい。そう思いました。

「普遍」とは、挑戦し続けること。新たなミッション・ビジョン・バリューに込めた想い

「小さな存在(チカラ)で、輝く明日(ミライ)を」という言葉を選んだ意図も教えてください。

今回、新しく加わった「100年後」というワードだけが先行すると、メッセージが壮大すぎて地に足がつかなくなってしまう。むしろ壮大なことを目指すからこそ、一人ひとりの「小さな力、小さな一歩、小さな時間」が大事だと思っているんです。

そしてこの「小さな」という言葉が表すのは、僕たちが扱っているジュエリーそのものでもあります。ファッション業界の中でとりわけ小さな存在だけど、身にまとうことで日常が少し変わっていく。そう願うから、僕らはジュエリーをつくり続けています。お客様も社員も、それぞれの人たちが輝くことで、もっと素敵な未来を描くことができると考えています。

その「小さなチカラ」には、ものづくりを支える職人も含まれているかと思います。職人の高齢化や技術継承が深刻になる中、次世代のために何を残したいですか。

日本には、甲府をはじめ、ジュエリーの産地がいくつかあります。ただ、そのこと自体が、まだ一般的にはあまり知られていません。自動車やIT、金融といった業界に比べれば、まだまだ小さな企業の集まりなので、まずは「日本でジュエリーがつくられている」ということに、興味を持ってもらうことから始めなければならないと思っています。

一人でも多くの人に日本のジュエリーの魅力を伝え、携わってみたいと思ってもらえるように、まずはエーアンドエスが業界をリードする企業として、存在感を高めていくことが大切だと考えています。ジュエリーの価値をしっかりと伝えていくことが、未来の担い手を増やしていくことにつながっていくのではないでしょうか。

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VISION「ジュエリーで世界の心を繋ぐ」
日本の美意識を、世界へ、未来へ。

これまで「One world One agete」を掲げ、海外展開も進めてきました。今回「ジュエリーで世界の心を繋ぐ」というVISIONを掲げるにあたって、どのような想いがあったのでしょうか。

世界にアガットを広げていきたいという方向性は、以前から変わっていません。ただ、今回はそこに、ブランドとして何を武器に世界とつながっていくのかということを、より明確に示したいという想いを込めました。それが「日本独自の美意識」という言葉です。

海外店舗を見に行くと、アガットの魅力が着実に伝わっていることを強く感じます。国境や人種、文化、価値観を超えて、ブランドが愛されている。それを支えているのは僕たちにとっては当たり前に思えてしまう、技術の高さ、繊細なディテールの仕上げ、細やかな品質の管理…そうした日本ならではの感性です。それを改めて誇りに感じつつ、大切に守り、世界へと発信していきたい。そんな想いを込めています。

最もこだわったという言葉「100年後のクラシック」について、どんなメッセージを込めたのか、お聞かせください。

100年後に振り返ったときに、普遍的であるかどうか。守るべき品質や、こだわり抜いたデザイン、扱っている素材に、一貫して通じるものがあるということを、「クラシック」という言葉に重ねました。今だけにとらわれたデザインは、感覚的にも、そして価格を左右する大きな要素としても、つい採り入れたくなるものです。でも僕らはそうではないはずだと、突っぱねる勇気を持てるように、最後の指標にしたい言葉でもあります。100年後もアガットがあるということは、その覚悟を貫けたときに初めて実現できるものだと思っています。

「普遍」とは、「今までと変わらない」ということではありません。100年先の普遍になっているということは、むしろチャレンジを続けているということ。その時々の時代にしっかりとアジャストし、躍進しなければ、実現できないことなんです。

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VALUE「ALL FOR FANs」
変わらず大切にする、すべての人への想い 。

FANsという定義には、どのような方が含まれているのでしょうか。

お客様はもちろんですが、経営層も、管理職も、店舗のジュエリーアドバイザーといった社員にも向けた言葉です。彼らがワクワクできなければ、ブランドがあっても何も始まりません。そして、FANsには産地の方々も含まれています。今、アガットでは商品の多くを国内生産していて、「日本の美意識」もこの比率だからこそ、伝えやすくなっています。産地がなければ、僕らの価値そのものが伝わりません。だからこそ、定義にきちんと含めて、社員にも共通認識をつくっていきたいと考えています。

唯一無二の価値を生みだすために、「誠実に、細やかに、独創的に」という言葉は、どのような軸になるでしょうか。

「ALL FOR FANs」の考えにつながりますが、エーアンドエスの価値は、いつだって最初のお客様である社員にあります。そして、そのみんなを象徴するのがこの3つの言葉です。ただ、丁寧で誠実すぎるがゆえに、独創的な部分がなかなか出てこないのが、企業としての課題でもありますね。ものをつくるとき、発信するとき、正解を探し始めるとキリがありません。だから、まずは試してみるという風土をつくりたい。良くも悪くも、行動してみて初めて反応を得られます。むしろ、大きな批判をもらったときの方が、成長につながることもあるでしょう。

丁寧、誠実であることは、日々を安定させてくれます。でも、その安定に留まっていたら、僕らが目指す「100年後のクラシック」には辿り着けない。唯一無二の価値を生み出すために、丁寧さと誠実さの上に、独創的であることをどう重ねていけるか。これから僕らが本気で挑んでいきたいことですね。

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未来のために、ジュエリーができること

「ジュエリーが何のためにあるのか?」時折考えさせられることがあります。答えはまだまとまっていませんが、ジュエリーだからこそ、僕たちだからこそ、届けられるものがあることは確かです。

エーアンドエスには年齢も、性別も、家庭環境も異なりますが、ジュエリーという一つの縁で集まった社員たちがいます。その一人ひとりがジュエリーにどんな力があるのか、何ができるのかを考え続けること。それは小さな力かもしれませんが、少しずつ輝く未来をつくることにつながるはずです。