伝統と革新のあいだで。 石の個性に応える、技術の探求。
伝統と革新のあいだで。 石の個性に応える、技術の探求。

鉱物がジュエリーになるまで

伝統と革新のあいだで。
石の個性に応える、技術の探求。

ひとつの石のために、手法を考え、試作し続ける。エーアンドエスで、素材と技術の可能性を日々追い求める職人に、そのものづくりへの想いを聞きました。

伝統と革新のあいだで。 石の個性に応える、技術の探求。

鉱物がジュエリーになるまで

伝統と革新のあいだで。 石の個性に応える、技術の探求。

石の個性を生かすために、手法を探す

 

ジュエリー職人と工房

ひとつの石が、ジュエリーをつくる出発点になることがあります。色や模様、クラックやインクルージョンと呼ばれるひびや傷、市場での価値とは別に、“いい石”には何かパワーを感じます。そして、必ずと言っていいほどお客様の目に留まる。この仕事を続けていて、強く感じていることです。

石の個性を最大限に引き出すために、どんな留め方をするか、どんな枠に合わせるか。すでにカットされたルースであれば、その形や模様を生かす枠や原型を一つひとつ考えます。一方で自分で石を削って研磨して、カットの仕方から試行錯誤することもあります。

伝統工芸をヒントに。「メッシュリング」が生まれるまで

エーアンドエスのものづくりでは、3つの軸を大切にしています。ひとつは、これまでにない新しい技法の可能性を追究すること。2つ目は伝統技法を受け継いでいくこと。そして新しい素材の開発です。いずれも、ジュエリーという枠にとらわれず、幅広いところからアイデアを持ってくるという点では共通しています。

メッシュリングの素材

例えば、細いシルバーの板を編み込んでつくる「メッシュリング」は、“組紐”をヒントに生まれた技術です。水引などの伝統工芸も含め、さまざまな紐の編み方、結び方を研究しながら、ジュエリーの地金でも同じことが再現できないかを試しました。

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金属板を折り曲げ、木槌で叩くことを繰り返しながら編み込む。

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力加減と角度が仕上がりを左右する。

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20cmほどを編むのに、熟練しても10〜20分ほどかかる。

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叩いて形を整えたのち、芯金に巻いて形をつける。

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必要尺を糸鋸で切断

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熱で溶接し、ヤスリで磨いて仕上げる。

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ジュエリー職人の作業

石のアウトラインを金属の枠で囲い、地金を丁寧に叩き込んでいく。覆輪留めと呼ばれるこの技法は、難易度の高い石留めのひとつ。

ただ、金属は紐と違って硬く、なかなか思うように形作ることができません。特に難しいのは、編み込みの幅を均等に揃えること。見た目の美しさに大きく影響する部分です。金属の太さや本数、折り曲げる角度、叩く力、どれかひとつがずれると、仕上がりに差が出るので、感覚を掴むまでにはそれなりに時間がかかります。

 

金属の本数や編み方を変えながら商品化できるバランスを何度も試作して、最終的に採用されたのは4本編みでした。ただ、採用されなかったものも、決して無駄にはなりません。試行錯誤の積み重ねが、また次の開発につながっていきます。

メッシュリングの地金

ジュエリーを身につける豊かさ。挑戦を積み重ねて

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アクアマリンの原石

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原石から取り出したルース

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さらにルースから仕上げたリング

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いつも心がけているのは、まず手を動かしてみること。先に制約を考えると、何も作れなくなってしまう。理想を形にしてみてから、実現可能な量産方法に落とし込んでいくんです。作ってみることで生まれるアイデアやヒントもたくさんあります。

ジュエリー職人の作業

大量生産大量消費の時代、ジュエリーの世界も例外ではありません。天然石の個性にこだわり、伝統技術を守り続けるには、一筋縄ではいかないこともある。それでも、日々の試行錯誤の積み重ねや、手仕事からしか生み出せない魅力があると考えています。

消えゆく技術を、守り続けたいという使命感もあります。国内の職人も高齢化が進み、いずれその技術は失われてしまうかもしれない。それでもジュエリーを身につけることで、伝統工芸の繊細さや手仕事のぬくもりに触れることができる。それはこれからの時代、ますます価値のあることになっていくのではないでしょうか。

これからも枠にとらわれることなく、新しいことに挑戦し続けたい。日々のものづくりの積み重ねがジュエリーをより豊かなものにしていくと信じています。

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