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自分だけの“ひとつ”との出会い。 ジュエリーに宿る思い出と物語
自分だけの“ひとつ”との出会い。 ジュエリーに宿る思い出と物語

天然石が紡ぐストーリー

自分だけの“ひとつ”との出会い。
ジュエリーに宿る思い出と物語

ジュエリー好きの母の影響で、幼い頃から宝石に触れてきたという、アガットのMD・山田香穂さん。これまでさまざまなジュエリーとの出会いがありましたが、天然石に同じものはひとつとしてなく、その一つひとつが特別な存在。中でも思い入れの深いジュエリーについて、お話を伺いました。

山田香穂
Profile:

山田香穂

MD

2015年エーアンドエスに入社。ジュエリーアドバイザーとして銀座松屋店や池袋東武店、有楽町マルイ店に勤務した後、2021年より本社へ異動しカスタマーサポートを担当。2024年にアガットのMDへ。商品企画の他、インスタライブの出演などのPR活動も行う。

自分だけの“ひとつ”との出会い。 ジュエリーに宿る思い出と物語

天然石が紡ぐストーリー

自分だけの“ひとつ”との出会い。 ジュエリーに宿る思い出と物語

幼い頃から身近だったジュエリー。
日々伝える天然石の魅力

現在、アガットに勤めて10年目になる山田さん。この業界を志したのは、ジュエリーデザイナーだったお母様の影響が大きかったといいます。

「ジュエリーが大好きな人だったので、幼い頃から身近な存在で、私も自然とジュエリーに興味を持つようになりました。大学時代には、夜間のジュエリー専門学校で彫金を学んだりもして、いつかジュエリーの仕事がしたいという想いはその頃からありました」

数あるジュエリーブランドの中でも、アガットのデザインや繊細なものづくりに惹かれたという山田さん。2015年にエーアンドエスに入社し、さまざまな店舗でジュエリーアドバイザーとして勤めた後、現在はMDを担当しています。

「シーズンごとの新作の企画をはじめ、InstagramなどSNSで商品の魅力をお伝えしたり、商品の資料を作成したり、アガットの魅力を発信するのが私の役目ですね」

特に難しさを感じるのが、一つひとつ異なる天然石の魅力をどのように伝えるかということ。

「天然石を使った商品は個体差が大きく、特にアガットではクラックやインクルージョンも含めて石の魅力だと捉えているので、それをWEBやSNSの写真だけで伝えるのは、なかなか難しいところがあります。なので、アガットのInstagram LIVEでは、天然石のさまざまな表情をリアルに見てもらえるよう、光を当てる角度を変えてみたり、肌にのせた時の色味の変化を見せたり、工夫しています」

そんな試行錯誤も、天然石の良さを知ってほしいからこそ。日々、大好きなジュエリーの魅力を伝える仕事は、難しくも大きな喜びだと語ります。

 

思い出の詰まった、大切な天然石ジュエリー

アガットに勤め、10年という月日の中で、たくさんのジュエリーと出会ってきた山田さん。何かの節目や、記念に購入したものも少なくないとか。中でも思い入れの深いものを見せてもらいました。

スキニーストーンリングシリーズ(右)

入社して間もない頃に購入したという「スキニーストーンリング」は、さまざまな種類の天然石を使ったゴールドのリングシリーズ。1種類ごとに石のフォルムとリングの柄に変化をつけたヴィンテージジュエリーのようなデザインが特徴です。

「当時、先輩方がこのリングを2つ3つ重ね付けしているのが素敵で、私もそんなふうにつけこなしてみたいと購入しました。シンプルなデザインなので飽きが来ず、時が経った今でもよくつけています」

山田さんが選んだのは、ラブラドライトとラピスラズリ、ガーネットの3つ。どれもそのニュアンスのある色味に惹かれたと言います。

「透明感のあるキラキラした美しさとは違う、天然石ならではの魅力を初めて知ったのも、このシリーズでした。中でもラブラドライトは私の大好きな石で、見る角度によって現れる、シラー効果と呼ばれる虹色の光が魅力です。一つひとつの個体差が大きく、色の出方や輝き方が異なるので、自分好みの石を選ぶのも新鮮な楽しさでした」

ラブラドライト×ガーネットのネックレス

神秘的なブルーのラブラドライトと深みのある赤いガーネット。2つの石を貼り合わせたリバーシブルのチャームは、山田さんがお婆様の米寿祝いにプレゼントしたものだとか。

「赤が似合う人だったのでガーネットがいいと思ったのですが、そこにラブラドライトを重ねるところやアンティークジュエリーのような繊細なレースの縁取りに魅力を感じて、これを選びました。それぞれの石の色が重なって不思議な輝きを放つところに惹かれます」

気に入ってよく身につけてくれたというネックレス。プレゼントしてから3年後、お婆様が亡くなり、再び山田さんの元へ戻ってきました。

「今も身につけるたび、器用で品のあったお婆様を思い出します。こうして物語を受け継いでいけるのも、天然石ジュエリーの魅力ですよね」

 

ブルーのクォーツの「ファーストピアス」

入社2年目に購入した、ブルーのクォーツを大胆に使った「インディゴコレクション」のピアスは、山田さんにとってはファーストピアス。

「それまではイヤリングをしていたのですが、ピアスの方がいろんなデザインが楽しめると感じて、思い切ってピアスの穴を空けました。最初に購入したのがこのピアス。ブルーのクォーツの中に線のようなインクルージョンが入っていて、その模様がとても可愛いく、ほとんど一目惚れでした。当時働いていた池袋東武店の店長とお揃いで買ったのもいい思い出です」

カジュアルにも、ドレスにもシーンを問わず、今でも出番の多いジュエリーのひとつだとか。

 

本当に好きな“一つ”を見つけて。
石が、自分を勇気づけてくれる存在に

職業柄たくさんのジュエリーと触れ合ってきた山田さん。個性的な天然石ジュエリーを素敵にコーディネートするコツはあるのでしょうか。

「テイストやデザインに捉われず、それらをミックスしてつけるのが楽しさだと思っています。最近は、『ブルベ』や『イエベ』といったパーソナルカラーを意識してジュエリーを選ぶという方も多いですが、縛られすぎるのはもったいない。自分の好きな色、好きな石を身につけていただきたいです」

これまで愛用してきたジュエリーを振り返って、山田さんが改めて感じる天然石ならではの魅力は、“ひとつしかない”ということ。

「同じ石は他にはないんです。だからこそ自由な気持ちで向き合うことで、その時の自分にぴったりの石に出会えるような気がします。色だったり形だったり、本当に自分が惹かれる“ひとつ”を見つけられると、その石が自分を勇気づけたり、自信をつけたりしてくれる存在にもなってくれるはずです」

Memorial Jewelry

アガット|インディゴコレクションのピアス

2016年5月に展開された「インディゴコレクション」のピアス。海と白浜のようなブルーのクォーツのインクルが、上品で繊細な印象。