似合わないと思っていた、天然石ジュエリーの自由さを知って
クリエイティブスタジオRIDEで、デザイナーとして活躍する西川文菜さん。昨年、エーアンドエスのコーポレートサイトのデザインを担当したことをきっかけに、ジュエリーの見方が変わったといいます。
「実は今までジュエリーに対して、憧れはありつつも少し苦手意識がありました。ジュエリーショップはなんとなく敷居が高いように感じて…。今持っているアクセサリーも貰い物がほとんど。自分で買ったのは、ヴィンテージショップで見つけたネックレスやブレスレットなど、カジュアルなものだけです」

天然石のジュエリーは、「自分には大人っぽすぎる」と感じていたとか。
「自分のファッションと天然石をどのように合わせればいいのか、なかなかイメージができなかったんです。でも、エーアンドエス社員の方たちが、ジュエリーをとても素敵に自分らしくつけこなしていて、『こんなに自由にお洋服とあわせていいんだ!』と、発見をたくさんもらいました」
アゲート、ムーンストーン、オパール… 一つひとつ異なる輝き触れる

天然石ジュエリーに惹かれ、西川さんが訪れたのはアガット青山本店。定番商品から新作まで、さまざまなジュエリーが並ぶケースを前に、思わず感嘆の声が漏れます。
「シンプルな服装に合わせやすい、ポイントになるような天然石のネックレスを見つけられたらと思っています。Tシャツにさらっとつけるなら、ちょっと存在感のあるデザインがいいのかな……」
まずは思いのまま、天然石のチャームを見てみることに。最初に気になったのは、モスアゲートとルチルクォーツのチャーム。縦長の雫型がモダンな印象です。

「大ぶりで華やかだけど、苔のようなグリーンの模様がかっこよくもあって、すごく好みです。一つひとつ模様の出方が違うので同じ石でも人と被らないし、より愛着が湧きそうですね」
次に惹かれたのは、まるでオーロラのような神秘的な色が目をひくチャーム。アバロンシェルにムーンストーンを重ねたダブレットストーンで、小さなダイヤモンドが石の個性を一層引き立てます。
「二つの石が重なって生まれる、神秘的な輝きが本当にきれいで、じっと見ていたくなります。これも石の色や模様に個体差があって、ブルーっぽいものもあれば、グリーンに近いものもあって、面白いなぁと思いました」

オパール(左)とムーンストーンとシェル(右)のダブレットチャーム
繊細な花びらのようなデザインと、乳白色に光る優しい色合いが魅力的なオパールも、候補のひとつに。
「可愛すぎないシルバー系の方が自分には合うのかなと思っていましたが、実際つけてみたら、意外とゴールド系もマッチしそうです。小さくてもちゃんと存在感があって、シルバーのネックレスとかと重ねてもバランスがいい。『こんなデザインも似合うんだ』と発見です」
深い海や愛猫の目の色のような
サファイアとの出会い
一つひとつ違う個性を持った天然石。見るだけでなく、実際に身につけてみることで、その魅力は広がっていきます。新しい石をつけるたび「おぉ〜」と驚きの声を上げる西川さん。サファイアのネックレスチャームをつけたとき、その声が一際大きくなりました。
「海の底のような、宇宙のような深い青! 飼っている猫の目の色にも似ていると気づいて、ときめきました」

サファイア、シェル、クォーツが重ねられた、深いブルーの石
ファッションやヘアカラーにもブルー系を取り入れることが多いという西川さん。
「シンプルなお洋服に青がポイントで入ると、印象が引き締まりますね。スクエアフォルムや石のカッティングが、モダンな印象もあって、Tシャツやスウェットなどラフな格好にも合いそう。もちろん、ドレッシーなワンピースに合わせてもいいですよね。こんなふうに自分がつけるイメージがどんどん膨らんでくるなんて、初めてです」
ジュエリーならではの繊細なものづくりにも惹かれたそうで、それは自身のデザイナーという仕事にもリンクする部分があるそう。
「私はデザインするときに、細部に何かアクセントを入れるのが好きなんです。ぱっと見ではわからなくても、それがあるとないとでは全然違う。今日見たジュエリーにもそういうこだわりを感じるんです。サファイアのチャームも、留め具に小さなダイヤがあしらわれていたり、石の台座にまで細かい細工がされていたり、さりげないけれど凝ったデザインに気がつくたび、グッときてしまいました」
知るほどに広がる楽しさ。
新鮮な驚きをくれる天然石ジュエリー

※シルバーのネックレスは本人私物です。
サファイアのネックレスチャームを、人生で初めての天然石ジュエリーとして迎えた西川さん。今回のその新たな世界に触れて、ジュエリーを自ら選ぶ楽しさを知ったといいます。
「最初はたくさんある石をどう見ればいいかわからなかったのですが、どんな石があるのか、その特徴や色、形、模様など、個体差の面白さを知っていくと、自分が『好き』と感じるポイントがわかってきました」

何より驚いたのは、天然石の魅力の幅広さ。
「かっこいい石もあれば、かわいいもの、きれいなもの、クラシカルなもの……さまざまな見え方をする石があって驚きました。さらに、写真やケースを目で見るだけと、実際に肌にのせた時とでは、その印象は全然違います。天然石は、自分の目で見て、手で触れて、本当に好きなものを選んでこそ意味があると実感しました」
クォーツとシェルが重ねられた特別なサファイアにも負けないほどの、きらめく笑顔でこう話します。
「洋服と同じように、石と石の組み合わせを自由に楽しめることを知ったので、今後、重ね付けや、違うアイテムとのコーディネートも試してみたいです。でもきっと、アガットのお店を訪ね、新しい石に出会うたび、『おぉ〜』と驚いてしまうと思います」